注目キーワード
  1. 技術
  2. 広告
  3. IDFA
  4. PHP
  5. WordPress

【続報】iOS14が広告収益に与える影響について

iOS14のアップデート日が近づいてきました。今回は、iOS14で導入されるプライバシー強化 IDFAの取得確認の必須化がどのように広告収益にインパクトを与えるかをまとめていきたいと思います。尚、この記事は、独自の見解で書いておりますので、Appleより公式に出ていない推測も含めた情報になります。

また、iOS14で発表されたIDFAのオプトイン対応については、下記の記事でも紹介しておりますので、ご参考ください。

IDFAのオプトイン化について

先日、下記の記事で紹介しましたが、iOS14より、IDFAのオプトイン化がAppleより発表されています。
https://tachitechi.com/ios14で変わるidfaと広告への影響/

上記に伴い、IDFAを取得するには、ユーザの許諾が必須になります。仮に、ユーザが許諾しなかった場合(IDFAのオプトインを許可せずにオプトアウトした場合)、そのアプリの広告収益が大きく減少されることが推測されます。なぜなら、IDFAが取れていることで、そのユーザのオーディエンス情報が取れて、広告の質が担保されていたので、ターゲティングができなくなると、広告の成果が合わなくなり、そのアプリへの報酬が下がることが背景にあります。このように、IDFAは、広告事業者にとっては、ユーザにマッチしたターゲティング広告配信、広告効果を測るためのデータ計測ができていましたが、iOS 14以降は、デフォルトでOKになり、基本的に取れなくなります。

では、どのくらいの収益インパクトがあるのでしょうか。実際には、iOS14にアップデートされないと何とも言えないのですが、広告収益は、今よりも60%以上低下するのではないかと推測しています。

どういう対応をすべきか

iOS14に対して、どういう対応をすべきか、現状では、2つの方法が有力になっています。

ATT(App Tracking Transparency)

任意のタイミングで、ユーザにIDFAの許可をダイアログで出す方法です。

ここに表示させる文言は変更可能なようです。ユーザが許可しなかった場合、IDFAの取得はできなくなります。一度設定した内容は、iphoneの設定画面からいつでも切り替えることができるようです。

SKAdnetwork

こちらの前回の記事で紹介しましたが、Appleが広告効果計測のために新しく用意したフレームワークです。各広告配信事業者は、このSKAdnetworkに対応しないと、IDFAが取得できなかったユーザーの広告成果が計測できないため、さらに収益が悪化する可能性があります。ちなみに、現時点で調べる限り、UnityAds, Applovin, LINEは、既にSKAdnetworkに対応させたSDKを公開しております。Nend, imobileは、まだ未対応ですが、9月中に公開されるようです。

収益低下に対しての対応策

ATT対応の実装箇所を工夫する

ATT対応のダイアログを出すポイントを工夫する必要があります。ダイアログは、他の許可を取るのと同様に、1度しか表示できません。なので、ユーザから許可をしてもらうために、どこで許可を取るかも非常に重要なポイントになります。また、ダイアログの文言も変更できますので、ここも工夫していきましょう。

IDFAを使わない成果測定ができる広告業者を活用する

IDFAを使わない成果測定ができる広告業者を活用することで、収益低下を減らすことができます。ただ、許可していないユーザへの配信については、ターゲティング配信はできなくなりますので、ターゲティングしなくても収益が良い広告業者に変えていく方が良さそうです。

  • ATTの許可を取る前に、オリジナルのポップアップを出す
    ATTの許可ダイアログを出す前に、オリジナルのポップアップを出し、許可をするメリットを伝えることで、許可率を上げることができます。仮に、ポップアップで好意的な印象を持たれなかった場合、そのタイミングでは、許可を取らずに、アプリ画面に遷移させて、また別のタイミングで許可を促すこともありだと思います。

(例)
・アプリを起動する -> 任意のタイミング -> オリジナルのポップアップ(あなたに最適化された広告を表示しますか?)-> はい -> ATTの許可を取ってから、アプリに戻る。
・アプリを起動する -> 任意のタイミング -> オリジナルのポップアップ(あなたに最適化された広告を表示しますか?)-> いいえ -> アプリに戻る。

このように対応させることも可能です。

  • ATTの許可がされなかった場合、後から許可するようにポップアップを出す

ATTが許可されたかのステータスを取ることができますので、許可されなかった場合、端末の設定画面に遷移させて、再度許可するように促す実装も可能です。

ATT (App Tracking Transparency)の実装

ATT対応のために、必要な実装は下記3つになります。

  1. Xcode12にアップデート
    iOS14対応をするために、最新のXcodeにアップデートします。
  2. IDFA取得処理の実装
    franeworkを入れて、取得処理の実装を行ないます。
  3. ダイアログ文言の設定
    plistにダイアログ文言の設定を行ないます。

このように対応することで、設定ができます。

収益を維持するには

iOS14がリリースされると、IDFAの許諾を取れている率が高いほど、収益性は向上すると考えています。行動履歴やユーザオーディエンス情報を活用した広告配信ができますので、対応できていないアプリより対応できているアプリが優遇されてくると思います。リリースされてから、また状況も変わってくると思いますが、広告効果が下がる可能性は高いと見て、間違いなさそうですので、どう対策を打っていくかは、検討を進めたほうがよさそうです。