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iOS14で変わるIDFAと広告への影響

IDFAオプトイン化の方針発表

Appleは、2020年6月22〜26日に開催したWWDC(Apple Worldwide Developers Conference)において、今年の秋に提供が開始されるiOS14について、プライバシー対応の強化を目的にIDFA(Identifer For Advertising)の取り扱いに関する変更「IDFAのオプトイン化」を発表しました。

これは、iPhoneやiPadの広告識別子=固有のデバイスを特定するIDである「IDFA」が今秋(例年だと9月頃)のiOSのバージョンアップにより、各アプリごとに「IDFAの取得可否を確認する」仕様に変更するというものです。

※参考:https://developer.apple.com/documentation/apptrackingtransparency

今後アプリのデベロッパーが、IDFAを利用するには、ポップアップ表示によりユーザーの許諾を得ることが必要になります。つまり、アプリ広告におけるターゲティング配信から計測までの全てにおいて使われてきたIDFAが使えなくなるという意味になります。

そのため、インターネット広告に与える影響は甚大で、各社対応に迫られています。

今回の大きな変更点は2つ

1. IDFAの使用はオプトイン方式(デフォルトOFF、許可すると使用できる)になる

アプリがIDFAへアクセスする際には、下記画像のようなユーザーへ許可を求める仕様にする必要があります。

その際、ユーザー追跡する理由も明記する必要があり、アプリ毎に許可設定が必要になりますので、都度、アプリからユーザに認証を取る必要があります。

2. SKAdNetworkのAPI仕様変更

APIに登録された広告ネットワークは、Appleから署名された信号を受信することにより、アプリのインストールを特定のキャンペーンに関連付けることができます。
つまり、インストールイベントのポストバックをiOSが担うようにできる仕組みのようです。

発表のスライドでは、今回の変更に伴う代替手段として、SKAdNetworkを使え、というメッセージを強く打ち出しています。
https://developer.apple.com/videos/play/wwdc2020/10676/

これは、アドネットワークに不要な情報を流すこと無く、必要最低限の情報のみを送信できるようにしたということなのでしょう。

ユーザから見た変化

では、ユーザから見たときに、どういう変化があるかを見てみましょう。
ユーザにとっては、普段利用しているiPhoneやiPadにiOS14へアップデートすると、アップデート後、初回、アプリアクセス時にポップアップが表示され、そのアプリ事業者がIDFAを取得してよいかの確認が行われる仕様に変更となります。

普段、アプリに表示されるポップアップで「〇〇を許可しますか」といった表示が出るとき、どの選択肢を選ぶでしょうか。
「許可する」しか選択肢がない場合を除けば、「1度だけ許可する」や「許可しない」を選択することが習慣化している方も多いのではないでしょうか。
「IDFAのオプトイン化」は、普段からあまり「許可する」意思を示さないことも多いユーザー側が「(アプリ側での)IDFA取得を許可する」意思を表示しない限り、IDFAの取得が難しくなる、、ということを意味します。

広告担当者への影響

iOS14リリース後に、広告にどのくらい影響があるかを考えてみます。
IDFAのオプトイン化へ進むことで、

・IDFAの取得率が大幅に低下
・IDFAを使用したリエンゲージメント広告の実施が難しくなる

ことが想定され、広告担当者にとっては大きなインパクトになりそうです。
広告がうまく機能しなくなると、掲載側に支払っている報酬の減少にまで発展しそうです。